chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第175首 いつか”感じ”なくなる

若宮は自身が出演したテレビ番組を観ようともせず、自室で寛いでいた。明星会はどうせ昔と変わらないのだろうからとまだ行っていないが、伊勢先生がくれた彼の著書をふと手に取る。

 

千早と太一は綾瀬邸の居間で視聴。画面に映る太一に驚愕する千早。原田先生、新、須藤などもそれぞれテレビを見て驚いている。太一は千早母が出してくれた親子丼を頬張り、何処吹く風。

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第174首 積もっていく

夏休み中の学校へ行こうとする千早を、「かるたの練習でしょ」と母が咎める。模試の結果がC判定ばかりで、先生に受験勉強に専念するよう言われていたのだった。

「千早 浪人してまでクイーンになってなんになるっていうの?」

そんな母の言葉を振り切り、千早は家を飛び出す。

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第173首 強くなる道を行きたい

個人戦A級は新が優勝。喜ぶ藤岡東一同、称賛する役員達。だが、村尾は違う感想を持った。

安定? いつもどおりの自力? ちがう もう一段強くなろうとしたんや 自分以外の力を借りる 不安定で貪欲なかるた

新はアパートの光景を思い浮かべる。千早の「手に入れたいものほど手放す」が前提だった。

手放した あのイメージを

若宮は顔を強張らせ、札を片付ける。祖母に「かるたのプロになりなさい」と言われたのに。

滑稽や 昨日は鳥人間コンテストも見に行かんと 周防さんのTV特集しゃしゃり出て 今日は着物まで着て個人戦出とんのに また新に負けて… 調子に乗ってバカみたいや うちは変われん 一人や

 

大江はC級、花野もD級で優勝。千早は二人を抱き締めるが、花野に抗議される。

「なんですか~~ もう暑い ぎゅーってされるなら真島先輩がよかった~~」

笑い溢れる女子部員達の後方で、準優勝の賞状を見詰める駒野。西田が大江に声を掛けた。

「ず ずっと好きだったんだ ずっと好きだったんだ かなちゃん おれと つ」

言葉の途中で西田の口を、駒野が手で塞ぎ、代わって駒野が告白。

「かなちゃん おれも好きだった だったっていうか好きだ ずっと好きだ」

大江は目を潤ませる。西田は駒野ににやっと笑う。

「やっと言った 遅えよ おれの言ったことなんかウソだよ」

西田は退室。大江は顔を覆って泣き出す。

「遅いです… 遅いですよ 机くん… 私 もう 藻塩みたいになっちゃってますよ~~~ バカ~~~~~」

藻塩――恋焦がれて干上がりそうだったと言われ、駒野はオロオロ。

来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに やくや藻塩の 身もこがれつつ

その様子を温かく見守っていた瑞沢一同だが、千早と筑波はただただ驚愕。千早は「藻塩…」と繰り返し呟き、部屋を飛び出して行く。一方、西田は外で涙を流していた。

 

富士崎の下級生達を前に、理音がクイーン戦に出ると宣言。日向も名人戦に出ると追随。いつも表情を変えない桜沢先生が彼等の言葉に吹き出し、部員達が驚く中、更に涙を零す。

「ごめんなさ… ふふっ …… あなたたちがかわいくて… …… か… かるたをずっと続けてね それが難しくても 心の中でかるたを続けてね 富士崎での日々が あのきつい練習が 永遠にあなたたちのエンジンになることを願ってます」

部員達は声を揃え「はい」と応える。

 

若宮を心配した伊勢先生が声を掛けて来たところに、若宮母が割って入る。

「失礼ですが 詩暢は一人でも強いですし そもそも一人やありませんから」

若宮母は娘が負けたことで、自らの態度に後悔している様子。

 

帰路に就く若宮母娘の横を、千早が駆け抜けて行った。千早は新の腕を掴んで引き留める。

「わ…私 言ってなかったと思って 新 藻塩になってるかもと思って 好きって言ってくれたのの 返事…… 返事っていうか気持ち い…いまの…」

驚いて赤面する新に、千早はきっぱりと宣言する。

「私… 全国大会でたくさん試合して思ったの もっとかるた強くなりたい 強くなる道を行きたい 詩暢ちゃんにも勝ちたい 日本一… 世界一になりたい」

新は唖然としながらも、同じく千早に宣言。

「…… …… …… うん わかるわ おれも千早に勝ちたい かるたをしてれば おれらの道はいつか重なる 『いま』じゃなくていいから もっと近づいたら おれのことどう思ってんのか 聞かせて 近くに行くから」

千早の肩に触れ、新は再び顔を赤らめ去って行く。

「次来るときは 名人戦 クイーン戦やの またの」

 

そんな恋愛情緒の欠片もない高三男女の会話を呆れて見ていた若宮母娘だが、若宮は一人で会場へ引き返して伊勢と話す。

「伊勢先生 明星会 寄らせてもらいます まだまだ未熟者で 変わっていかな 下から来るかるたバカが怖いですから」

 

千早は階段下から楼門に向かって一礼。

全員で闘った夏が終わる 近江神宮に 感謝
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第172首 自分一人では越えられん壁

新は若宮に「うか」札を送る。「うら」札と渡り手で取る作戦だ。若宮は警戒するが、新が狙い通りに「うらみわび(相模)」を取った。

「うか」「うら」を持たされたら 決まり字前に飛び出さなあかん そうなったら詩暢ちゃんはどっちの札に行く? なんとなく相模の方や そっちを先に潰す

若宮は「うか」は必ず取ろうと内心燃えているが、村尾は自分ならば捨てる考え。新に以前、渡り手で狙った札を片方取った後に何故もう片方も取れるのか、と訊いた。新はこう答えた。

なんでかわからんけど 片方になった瞬間 決まり字「う」になった瞬間 強く光る まったく新しい別の札が現れたようなイメージ

そして、新が「うか」を超加速で取った。新は払った札を拾いつつ、滉に「三連取」と小声で言う。若宮は着物の袖で札が乱れて苛々しながらも、次の一字決まり「す」を敵陣から抜く。若宮が札を拾いに行く間にも、新は滉に視線を向けており、また苛々。桜沢先生は分析。

捨て札を基本的に作らないクイーンは 取られたときのダメージもモロに受ける

村尾は見守っている。

新は違うんや ‘‘君が取る番や‘‘っていうときを作る

自分が取る番、君が取る番、自分が取る番――で新が「せをはやみ」を「せ」の半音で敵陣から払う。千早は衝撃を受ける。

半音…! さっき私も感じられた五十嵐さんの半音 S音

新は拾いに立ち、「せ」札を手にする。

この札は "自分が取る番"

伊勢先生は若宮を見詰める。

全部取ろうと思ったらかるたは負ける 相手のあることなんや "自分の番"をいかに増やすか

皆が試合に集中している中、若宮だけは札を乱す袖に苛ついている。新がチームを作ろうとしたことについて、管野先生は再度考えていた。

綿谷… おまえは強いのに 努力も才能も持って こんなに強いのに いつか当たると思ったんやろか 自分一人では越えられん壁に

 

B級では駒野が1対3で王手を掛けていた。

かなちゃん がんばってるかな 絶対がんばってるな 勝って言うんだ かなちゃんに 必ず

駒野が自陣の「たごのうらに」を払う。しかし、読まれたのは「たきのおとは」で、ヒョロが取った。まさかのダブで、2対1に引っ繰り返される。

一方の試合で、滉が勝利を決めた。

「ふ 藤岡東1勝!!」

新の表情がふわっと緩む。

その後読まれた「たごのうらに」をヒョロが敵陣から取って勝利。沸く北央応援団。俯いてタオルで顔を抑える駒野を見守る、千早と西田……

 

新と若宮の試合は運命戦となった。新の陣に「めぐりあいて」、若宮の陣には「はなのいろは」。若宮は札を見詰める。

中盤までの差が…… きっちり追いつかれた べつにいい 勝てばいい 強いのはうちや うちのところへきて

しかし、敵陣の「紫式部」だけではなく、自陣の「小野小町」までもが――

えー でもお この殿方もスキ…

札が二枚とも新の方を向いているように見え、若宮は蒼白。

うちには チームもない 味方もおらん 唯一の友達も 敵や 最悪の

最後に読まれたのは新の陣にある「めぐりあいて」だった。

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第171首 応援できないのがこんなに辛いなんて

6枚差で新をリードしている若宮。

新とうちに差があるとすれば 流れを呼び込む力―― そのくらいしか思いつかん 流れ… みんな簡単に言うけど 一人で練習しとるうちにはようわからん

千早は新を見守ることしか出来ない。

新… かるたは野球やサッカーとちがう 応援なんかできない そんなことわかってるのに 応援できないのがこんなに辛いなんて

 

駒野相手に連取するヒョロ。

取りたい あげたい 優華璃さんに おれの優勝のメダルを…!

ヒョロは集中しているが、リードは出来ていない。駒野は分析。

プレースタイルは必死で珍妙 ――に見えて ――慎重 初めての人は取りにくくても僕には効かないよ 僕だって今日は負けられない

 

新はいつものリラックスとは違うが反応は悪くない、と若宮は思っている。

でも 流れなんていう不確かなものに うちは振り回されんで 5枚差を永遠の差にしてやるわ

札を取られた新を見て、千早はぎゅっと目を瞑ってしまう。

新 なにもできない どんなに思っても 応援の声は出せない なんにもできない

苦戦している滉の背中を、新が叩いた。

「次は取るぞ」

更に声を張り上げる。

「藤岡東 行くぞ!!」

滉と観客席に座る藤岡東一同は、驚きながらもそれに応える。

「お おっしゃあああ」

これには千早も瞠目。マナー違反なので村尾に注意されながらも、新は瞳を閉じて考える。

イメージや あの部屋ではもう取らん たとえばいまは 団体戦の土壇場 1勝2敗の場面 滉とおれとで勝つんや おれら二人にチームの勝利がかかってる

次の「おおことの」は攻めにくい札だったが、新が鋭く取る。滉も取った。新は擦れ違いざまに滉の髪を撫で、千早に目をやる。

千早… あの部屋のイメージにい続けたら いま以上の強さは身につかん 離れたくない ずっとここにいたい 千早と太一とかるたした部屋でまたずっと でも 好きな子にかるたで負けて これまでの自分でいいなんて思えんのや

新は考える。

強くなりたい 強くなりたい 千早にも 周防さんにも

太一が置いて行った菓子折りの「次は試合で。」を思い浮かべる。

負けたくない
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