chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第10首 強くなってあいつを待とう

かるたを蹴った新に、太一も激高。新を突き飛ばし、帰り支度を始める。もう昔の新じゃない。しかし、千早は「そんなことない」「信じてる」と言い募る。

「信じるとか言って 新に押しつけんな!」

二人は新の自宅を後にするが、千早が置いて行ったかるたを持って由宇が追い掛けて来る。

「私…… ずっと取り柄とか夢とか持ってなくて…… でも 新が言ったの かるたでは”日本で1番は世界で1番”だって 私なんかでも世界一になれるものがあるんなら なってみたいと思ったの……」

そして千早は由宇に、新がかるたを止めてしまった理由を訊いた。

 

新は床に座り込んだまま、祖父の写真を見て、思い出を頭に浮かべる。「もろ」と「もも」の札を「も」を聞いただけで何故取れるのかと質問した。

かるたを大好きになって 毎日毎日やってたら ときどきかるたの神様が 音の一歩先を教えてくれることがあるんや

もし本当にかるたの神様がいるのなら祖父の形をしている、と小さい新は思ったのだった。

 

新の祖父は脳溢血で倒れ、新は介護やリハビリを手伝っていたが、新が留守番をしている筈の日に、新自身はA級昇格を懸けた大会に出ており、祖父は一人で亡くなった。

 

自宅で塞ぎ込む新が、千早が置いて行った手紙に気付いて開く。

私は新を かるたの神様みたいに思ってます。会えなければ会えないほど 神様になってくみたいです

何が”神様”! 神様はおれじゃない。手紙をびりびりに破く。一緒にあった饅頭の包み紙一枚一枚には、携帯番号ゲット、写メなど、千早が新と会った時にしたかったことが幾つも書いてあった。

新 ときどき会ってかるたをしようよ 神様じゃなくて友達でいたいよ

 

千早と太一は帰宅すべく列車に乗る。千早の耳が、自分達の名前を呼ぶ新の声を捕えた。新は列車の横を自転車に乗って並走していた。

来てほしくなかった こんな自分を見せたくなかった でも会いたかったよ ずっと――

新がかるたを嫌いになったのではないと安堵する千早。太一は千早に新の声が聴こえたことを内心驚き、千早の言葉を反芻する。

私でも 世界一になれるものがあるならなってみたい

太一は決意。

「……一緒に作ってやるよ かるた部 新はかならず戻ってくるから おれたちは日本一のかるた部作ろう 強くなってあいつを待とう」

 

ちはやふる (2) (Be・Loveコミックス)

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由宇が札を持って追い掛けて来た際、千早は地面に落ちた 「みせばやな」 「もろともに」 「みかのはら」に見入った後、 「あきのたの」を手にする。他のコマで 「みよしのの」も見えている。いずれも片思いや寂しい気持ちを詠む歌。新と祖父の回想時に描かれているのは 「もろともに」 「すみのえの」 「みよしのの」 「ありあけの」 「みちのくの」。

追い掛けて来た由宇が過去話をしている最中に紅葉背景があしらわれているので、きっと彼女は新が好きなんだね。