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chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第105首 べつにだれのでもないよな

原田先生は腕組み。

千早ちゃんとまつげくん 結果を出すのはどっちだ 結果…… 世の中には結果より努力が大事って考え方もあるが 指導者にも生徒にもそれは本当は苦しいんだ 「がんばった」も「きつかった」も風のように流れていってしまう 「結果」は石なんだ 「がんばった」を留めておいてくれる石 そして「結果」は集めるんだ――

観衆は二人の経歴を噂し、次にも期待する。二人が手を振った先に、飛んで行く札。

強い 追い風を みんなに 押してもらって ここまで来たね

終戦。千早が顔を上げ、握り拳を作る。アナウンスが入る。

「吉野会大会A級優勝は 白波会 綾瀬千早さん」

沸く観衆。千早はふっと倒れ込む。太一は俯き、拳を震わせ、正座したまま動かない。

 

着替え終わり、ロビーで座っている千早。無表情で視線は下向き加減。周囲は二週間後の東日本予選で活躍しそうな選手の名前を上げ、盛り上がっている。勢いで行くと千早だ、との声も聞こえるが、千早は修学旅行がある。宮内先生が千早に声を掛ける。

「綾瀬さん もしクイーン戦予選のほう出たかったら相談に乗るわよ 大事な公式試合がある場合 公欠取るのは当然のことよ クイーン戦はあなたにとってはいちばん大事な試合でしょう? 考えましょう 力になるわ」

そこにパート勤務を終えた千早母が駆け付ける。千早は泣きながら一言。

「お お母さ…… 私…… 修学旅行に行きたい~~~」

母も、宮内先生、瑞沢メンバーも唖然。

「私 高校の先生になりたいの~~ 修学旅行行ったことないじゃ困るのおお~~ クイーンにだってなりたいけど 宮内先生とか桜沢先生みたいな 顧問の先生になりたいのぉぉ~~ で でも 今日はこの袴の初めての試合…… 勝ちたかったの~~ 勝ったよぉ~~ 太一とがんばったよ~~」

大号泣する千早。

やれたよ やれたよ 思いっきりやれたよ 楽しかったよ

しかし、太一だけは洗面台の前にいた。水を流しっぱなしで、現れた新がそれを止める。

「どうかしたんか?」
「いや なんか疲れて……」

太一は新の顔を見たが、すぐ背中を向ける。新が話し掛ける。

「…… 千早 強かったな」
「そーだな」

新はロビーの階段を降りて行く太一の後方から話し続ける。

「…… 太一 笑うかもしれんけど おれ なんとなく 千早はずっと 太一のもんやと思っとった ガキのころからそばにおるのは太一やったから」

太一は新の方へ振り返ったが、また先に階段を降りながら答える。

「―― なに言ってんだよ バーカ おれは―― ……」

言葉を切り、心の内だけで考える。

千早のことを 二人のものだと思ってる 大差ない おれも新も 近くにいるくせに

新が太一に言う。

「千早はべつに だれのでもないよな」

太一が振り返る。対峙する二人……

 

修学旅行一日目。駒野が千早のところに来て、太一が熱を出して欠席していることを報告。風邪なのかと慌てて電話しようとする千早を、駒野が「違うんじゃないか」と止める。

え え……!? まさか 太一――!?

 

ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

 

 

memo

最後の札を取る場面は、前話の最後のコマと同じだね。つまり、試合結果は前話で呈示済みだったと。札は「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」で、恋しい人を求めながら独り寝するのかと嘆く歌。