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chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第119首 一緒にかるたしよっさ

終戦し、新側の陣に残された「ふ」と「ちは」の札。

名人戦挑戦者決定戦 勝者は 原田秀雄六段」

沸く観衆。千早が見上げると太一も涙を流しており、それを見て千早は太一にしがみついて更に涙。原田側は皆それぞれ抱き合って泣いている。北野先生もボロ泣き。

 

歓喜の輪も落ち着き、床に突っ伏してまだ大号泣している千早に太一が訊く。

「おい おまえ マフラーなんかしてたっけ? それ どーした?」

周防名人が貸してくれた、との言葉に不快そうな太一。

「!? 名人に借りなんか作んなよ 返してきてやる」

太一が部屋から出て行き、千早は新に目を向ける。正座していた新が、床に倒れ込む。

『ふ』と『ちは』…… どうしても自分が取るんやと思った 特定の札にそこまでこだわることないのに 今日は……

新は小学生の千早が「ふ」と「ちは」の札を嬉しそうに語っていた姿を思い浮かべる。

こだわるべきでなかった? そこが敗因やろか? じいちゃん…… ちがう おれはじいちゃんでない おれがおれのまま 勝つには…

千早に名前を呼ばれ、新は慌てて起き上がる。

「あ… 新 あの… お… 惜しかったね すごい試合だったよ! 原田先生と新の 二人のかるたがちがって おもしろかった」

新は「千早なら終盤どうした?」と訊ねる。

「私は攻めがるただから 『ふ』も『ちは』も送ると思う 特別だから 手に入れたいものほど手放すの かならず取ると勝負に出るの」

そして、にこっと笑う千早に、新は小学生の自分と千早を思い浮かべた。千早が当時言った台詞も。

新 ずっと一緒に かるたしよーね

額に手を当て、目元を隠す新。何だろうといった表情で、新の顔を覗く千早。新が笑顔を作った。

「好きや 千早」

新はきちんと座り直し、目を見開いて凝視して来る千早に、頭を下げて言う。

「太一が言ってたかもしれんけど おれ 大学はこっち来ようと思ってる もし 気が向いたら」

そこまで言ってから新は頭を上げた。

「一緒にかるたしよっさ」

千早は口を半開きにして、驚いている。新は真っ赤な顔を俯かせ、恥ずかしそうに片手で顔を覆い、それから何かを決意したような表情で立ち上がって行ってしまう。残された千早は頭が真っ白になり、その場に倒れ込んだ。その一部始終を数メートル先から見ていた大江と花野は「えええええええええ」と絶叫。

 

太一は走って周防に追いついた。名前を呼び、マフラーを差し出す。

「これ ありがとうございます 貸してくださって」

周防は「代理」で返しに来た太一に、「あの娘の何」と訊く。太一の頭に、原田先生の言葉が蘇る。――青春全部懸けたって強くなれない? 懸けてから言いなさい。

原田先生 原田先生は 青春どころか

太一は口元に力を入れ、きっぱり言う。

「彼氏です ちょっかい出さないでください」

ガーン、離婚……!! と走り去る周防。猪熊一家がちょうど傍にいて、太一は「かっこよかったわよ」と声を掛けられる。

 

村尾は新に問う。

「努力も才能も おれは劣ってたとは思わんけど 『ない』ものには会えたか?」

新は一呼吸置いて答える。

「意地悪さ…… …… 経験…… 情熱 愛情 愛情 愛情…」

 

その頃、千早は屋外にて一人呆けて座り込んでいた。

 

ちはやふる(23) (BE LOVE KC)

ちはやふる(23) (BE LOVE KC)

 

 

memo

突っ込みどころが幾つか。小学生千早の「新 ずっと一緒に かるたしよーね」は第4首からの回想だが、正確には「新 太一 ずっと~」で、太一の名前が挟まれている。そして、周防は「彼氏です」宣言に泣いてるけど、数刻前の第117首で千早は彼氏について「いませんよー」と答えていたじゃないですかw

新告白場面は第138首で重大な後出しアリ! 「一緒にかるたしよっさ」の後、新が顔を真っ赤にしたり、眼鏡を弄ったりする場面はコマ送りだが、ここで実はもっと更にすんごい台詞を口にしているのだ。ただ、かなちゃんと菫はそこで興奮し過ぎたのか、「一緒にかるたしよっさ」までしか聞いていない模様? それでいて後出し台詞と同等=プロポーズと解釈し、読者向けにもそう話が展開されて行く。

紅葉描写は「かならず取ると勝負に出るの」で最高潮で、気持ちが盛り上がって「好きや」に繋がったといったような臨場感がある。