chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第12首 畳の上で努力し続けられるやつがいい

西田のかるた歴は10年。太一は千早と二人だけではきつかったので、西田と大江の入部が有難い。

「おれ 千早には一回も勝てねーし おれが名人目指してるわけじゃねーから 勝てなくてもいいんだけど 千早の練習にはなんないじゃん」

五人目の部員勧誘ターゲットは、太一に次ぐ学年二位の秀才クラスメイトの駒野勉。いつも机に噛り付いて勉強しているので、机くんと呼ばれている。能天気に誘って来る千早を適当にあしらう駒野だが、千早に強引に部室に連れ込まれる。

西田が肉まんを頬張りつつ、太一に話す。

「綾瀬さー あいつ ものすごいかるたバカじゃん おれらじゃ物足りねーだろうに全力で来る 超腹減るよ 目標があるやつは違うよな クイーンだろ?」

太一は、千早と新がかるたを前に向かい合っている光景を想像する。

新 いつか新と

駒野は千早に連れて行かれた部室で、かるたは札の配置を全て覚える暗記力が勉強に役立つと力説される。そこで気付いたことに、目下のライバル、月例考査毎回一位の太一がいる。

駒野の挑発により、裏返しのかるたで勝負することになった千早と太一。鍛えていれば、裏返しでもある程度は取れる。順調に取り合う二人だが、記憶の仕方がいつも曖昧な千早に切れがない。

か…… 勝てるかもしれない 千早に――

そう気付いた太一が本気モードになる。いつもの「練習してくれてる太一」ではない――千早のスイッチも入る。白熱した戦いに息を呑む、西田と大江、そして駒野。

『勝てなくてもいいんだけど』 そんなワケあるか 千早 目の前にいるのはおれだろう?

裏返しかるたは太一の勝ち。本気で悔しがる千早の頭を、太一は笑いながら軽く叩く。千早が太一にいがんでみせる。駒野は黙って部室から出て行くが、太一が追って来た。

なんでこんなやつがいるんだろう いい友達もいて 能力もあって

駒野は才能がないから机しか居場所がない、と叫ぶが、太一が怒る。

「かるたの才能なんか おれだって持ってねえ きついけどやってんだ 負けるけどやってんだ だって勝てたとき どんだけうれしいか……っ」

熱くなったのを照れ隠ししながら、太一は言葉を繋ぐ。

「……でも おれは 仲間にするなら かるたの”天才”より 畳の上で努力し続けられるやつがいい」

この言葉に、駒野の心が動き、部室に戻る太一の後を追う。

 

ちはやふる (3) (Be・Loveコミックス)

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机くん=駒野勉、初登場の回。肉まんくんがクイーン戦(女子試合)の話をしているのに、何故か千早の前に座っているのが新という構図を想像する太一。不自然な描写が引っ掛かるが、ずううううっと後の第162首を読んでやっと、注目すべき点が分かる。もう一つ、その想像から発せられた「目の前にいるのはおれだろう?」も、違う形で第163首にて出現。

肉まんくんの送り札は 「ながらえば」。太一の想像上で、千早が新に送っているのは 「ちはやぶる」。裏返しかるたで読まれたのは 「うかりける」 「おとにきく」 「わがいおは」 「やまざとは」 「せをはやみ」 「なにわがた」。