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chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第129首 ひとかどの人間になりなさい

長崎県大村市。周防従兄が伯母の兼子にパソコンで動画配信を見せるが、彼女の目には画面の両隅辺りがぼやけている。番組の解説担当の山城今日子専任読手が、周防が読みの録音をさせて欲しいと頼んで来た時のことを話している。かるたが好きそうな感じではないのに、どうしてかるたをしているのか。周防が山城読手に答えた内容を聞き、兼子ははっとする。

「かるたでなら ひとかどの人間になれるんじゃないかと思って」

 

周防が20年前に「たぶんろくでもなかった親」に連れて来られた本家で、周防の世話をしてくれた伯母。和菓子工場でパートをし、家の畑仕事も手伝っていた。彼女はじわじわ視野が狭くなり、見えなくなっていく病気。

学生時代の周防はピアノにテニス、水泳、卓球など器用にこなすが長くはやらず、勉強は出来たので東大に合格。上京する時に伯母が涙ながらに送り出してくれたのだ。

久志 なんでもいいけん ひっ… ひとかどの 人間になんなさい……

可愛らしい先輩につられて競技かるた部に入り、器用だったので一年でA級まで昇級。しかし、伯母と同じ遺伝性の病気になってしまった。先輩が勧誘時に教えてくれたのは、知ることで光でいっぱいにも闇でいっぱいにもなる歌。

あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり

 

読手がふうっと息を呼吸をした。原田先生が狙いまくっていた敵陣右下段から、周防が音になる前の呼気で判別して払った。後半は決まり字が短くなるので、周防有利。

”感じ”って すごい言葉だ 真っ暗闇の中で 音が光って感じられた ひとつひとつちがう光を感じ取る それがなにより大事な世界が 競技かるただった ここだ この世界で一番になろう ひとかどの人間になろう

しかし、名人になって以降、退屈に感じることになった。仲間が強い周防との対戦を避けたがるのだ。25枚ではなく20枚で勝てるように試合してみた。次は17枚で勝てるよう、その次は相手に4回お手つきさせるよう工夫して。

かるたが好きなわけじゃない がらんどうだ おれは 続けるために だれかの情熱を食べるしかない がらんどうだ

周防のペースとなり、差が縮まる。原田先生は痛む膝を抑えながら、上手さで対抗。

飲み込めると 思ってるんだろう? 速さが ”感じ”がすべてだと 思ってるんだろう? 君が名人だと かるたが泣くよ 引かん 君に引導を渡すのは 私だ

 

ちはやふる(25) (BE LOVE KC)

ちはやふる(25) (BE LOVE KC)

 

 

memo

「あいみての」は第120首で、白い鳩を眺める千早を見て、かなちゃんが詠んだ歌でもある。ところで、今大会の予選を描いた第107首にて周防がバイクを運転しているが、視界には思いっきり影響がありそうだよね。

試合で読まれたのは 「せをはやみ」 「たきのおとは」 「つきみれば」 「あらしふく」など。