読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第154首 気配は感じるの

千早はかつて太一がやっていた部員達の配列表の添削もするようになっていた。皆が休憩のため部室から出て行き、畳で大の字になる千早。吹奏楽部のトランペットが聴こえる。

『千早振る』は 高速回転する まっすぐな軸の独楽 なにが触れても弾き返される安定した世界

それは、新のイメージであり、音楽のイメージでもある。

かなちゃんの話は 脳の同じところにはいってるなあ

目を閉じて考える。

夏と 部室と 畳のにおい

流れ込む風に太一の気配を感じて飛び起きるが、勿論居ない。畳の上に一人残った三度目の夏――

 

全国大会前日、会場にて団体戦抽選会。新の藤岡東も福井代表だ。千早と新は久しぶりに顔を合わせ、互いに頬を染める。新はチームメイトを紹介した後、「太一は?」と訊く。一瞬の沈黙。

「…… 辞めたことしか知らんのや 桜沢先生に聞いて……」

静かに答える千早。

「うん そう… 辞めちゃっていないんだ」

千早が遠くを見るように言う。

「でも 気配は感じるの 変かな」

穏やかな表情になり、最後に「へへっ」と笑う千早を、新は言葉もなく見ていた。千早は駒野に呼ばれて歩を進め、新と擦れ違いざまに言う。

「新 瑞沢は 勝ちに行くよ」

凛とした表情で目も合わすこともなかった。新は仲間に説明する。

「あれが 前年優勝校のキャプテンや」

背中を向けて歩いて行く千早に、太一の姿が重なった。

 

食料や飲み物、過ごし方など、全国大会用のマニュアルはばっちりだ。ただ、過去の教訓から試合で着用するのはTシャツ。大江は応援に訪れる母の手前、着物を持ち込んでおり悩んでいた。就寝のため布団に入り、千早は空に手を翳す。

「上昇気流のイメージ お母さんたちの応援で 実力は上がったりしないけど がんばれって気持ちは 温かい空気と同じように ”運気”を上げてくれる気がするよ」

瑞沢男子部屋では、西田が直球の質問。

「ねー 机くん 『全国大会終わったらつきあって』って かなちゃんに言わねーの」

藤岡東、北央、富士崎でも、浮かれた話が蔓延る中、大会当日。前年優勝校ということで、選手宣誓は瑞沢キャプテンの千早がやることになる。真っ青になって震える千早。

宣誓なんて 太一だ いちばん似合うのは太一だ 太一だ

イメージするのは太一が宣誓する姿だが、想像したところで居ないものは居ない。

”でも 気配は感じるの”

千早は前を見据え、胸をどんと叩いて宣誓のため進み出る。毅然と手を空に伸ばす。

来い 来い この夏いちばんの 上昇気流

 

太一は周防のテレビ収録の付き合いで大阪に来ていた。「最強名人、速さの秘密に迫る」という企画内容に惹かれたのだ。専門家による音の認知から動き出しまでの研究、瞳の動きからの認知力の検証、反応時間の検証、運動能力の検査、バランスの解明、聴力の検査――

太一は現場で、「撮影に協力してくれる凡人レベルの弟子」と間違えられる。周防は訂正。

「すみません 彼は 普通よりずっとずっと 強いですよ」

企画に変更があり、周防は共演を頼まれる。現れたのは、若宮だった。

 

ちはやふる(30) (BE LOVE KC)

ちはやふる(30) (BE LOVE KC)

 

 

memo

新は太一と千早の両方が部を辞めたと思っていたんだよね。でも、その辺の突っ込みがない。そもそも、告白以降は名人戦の時に会ったのと、新から「かるた部つくったよ」報告メールぐらいで、千早はその返信や、メールの往復は全く行っていなさそう。千早の「瑞沢は勝ちに行くよ」は、第133首高松宮杯で太一が「よろしく」と擦れ違いざまに言う場面と被せているのかな。

選手宣誓がキャプテンの役目なら、たとえ太一が部に残っていても太一は部長だけどキャプテンではなかったのだから、結局やるのは千早だったのでは。