chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第179首 ここにいるみんなを翻弄しにきたから

十月上旬、太一は新海太一先生と面談。先生が言った通り、平日6時間、休日13時間の勉強時間を確保出来ていると太一は返事するが、模試の結果は少し下がっている。

「しかし まだ大丈夫! 真島は私とお揃いの『太一』だからな」

 

休日の真島邸。食器を片付けたり花の手入れをしている太一母に、太一が視線を向ける。

「母さんてさ うるさいけどさ 所作はきれいでうるさくないよね」

驚いてみる母を背に、外出する太一。

解像度が上がる 音の解像度 目の解像度

 

千早はかるたも勉強も同じ時間を割く毎日を続けている。が、早起きしたのに居眠りしてしまい、遅刻だと騒ぎながら家を飛び出す。これでもいつになく全力を出している状態だ。

身体の解像度

 

そして迎えた十月中旬、名人・クイーン戦東日本予選。

かるたの解像度

読手は廣田、小峰。千早は出場者の中に田丸を見付けて喜ぶが、田丸は埼玉咲良会のパーカーを着用している。

「先輩とは敵同士 すぐ当たってもおかしくないです」

西田もいるが、翠北会のTシャツを着ての参加。

「おれは まあ 準備不足は否めねーから本気じゃねーけど 女子はユーミンのほう 応援すっからな じゃーな」

大江と駒野は模試のため、会場に来ていない。一人立ち尽くす千早。そこにメールが届き、慌てて電源を切っている時に太一を見付けて名前を呼ぶが、気付いて貰えないまま、太一は名人戦予選会場へ行ってしまう。千早は太一が書き残した「次は試合で」と、新と太一の姿を思い浮べる。

ここだ 今日だ 私たちの 約束の試合――

千早もクイーン戦予選会場へ向かおうとして、足に痛みを覚える。親指の爪が欠けていた。爪の手入れを怠っていた上、絆創膏も持ち合わせていない。準備不足……

 

田丸の兄、剛は今回こそ主役になろうと意気込んでいる。対戦相手は太一。

わかってる ずるいよな なにもしなくても 主役の空気を持ってるやつ ドラマチックななにかを持ってるやつ

田丸兄は嫉妬しつつも、太一を見てにやりと笑う。

「あれ? 君って―― 登録 白波会で出てんの? 白波会じゃなくって もう東大かるた会の一員なんじゃないかって だれか言ってたよ どうなの? 君の先生はもう―― 周防さんなんじゃないの?」

その言葉で原田、坪口、須藤が見る。太一は表情を変えず何も答えずに札を混ぜ、その手で田丸兄の手に故意に触れる。

「すみません 失礼しました」

太一の穏やかな表情につられ、田丸兄の顔が綻ぶ。田丸兄はすぐに気を引き締め、畳に視線を落とす。太一も同じように口元を締め、視線を落とす。田丸兄が息を吐けば、太一も息を吐く。太一が顔を上げると、田丸兄がつられて顔を上げた。目が合い、太一が微笑むと、田丸兄もつられて頬を緩ませている。

いつも プレッシャーを感じることはあっても 大会が楽しみだったことなんてない

試合が始まった。最初は空札で、田丸兄はお手つきをしてしまう。田丸兄が息を吐く。太一も息を吐く。田丸兄が息を吸うと、太一も同じように息を吸っている。田丸兄は二枚目もお手つき。

えっ… また つられた…?

田丸兄は気付く。

このやり方…

太一が頭に浮かべているのは、瑞沢メンバー五人で円陣を組んだ時のこと。

勝たなきゃいけない みんなのために 勝ったらうれしいけど それは”楽しい”じゃない

今日の太一は勝ちに来たわけではないのだ。

楽しいな 今日は ここにいるみんなを 翻弄しにきたから

田丸兄は太一に目を向ける。

ドラマチック? 主役? ちがうだろ こいつ こいつ主役じゃなくて そう 悪役――

 

 

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memo

太一の勉強時間は、本当のところ確保出来ていないのだろう。出来ていないのに、成績の下がり幅は少しだけ。勉強すればまた上がる、と余裕ぶった表情に見える。太一という名前についての前振りは第26巻以来。解き明かされる時が近いようだ。

母とのやり取りで、太一は卒業後に家を出るつもりなのかなと感じた。教育費をたっぷり掛けられているし家業を考えて医者になるのだろうが、代わりに割と自由にさせて貰っているような印象。ただ、東京から離れるとしても何処に行くのか。第64首で英語力を披露しているし、海外はどうだろう。受験も関係なくなる上、千早の場面ではあるが、ここ数話は英語づいているのも何か匂うというか。

真島家には由香という部活に忙しい娘がいるらしい。第一巻巻末の情報だと、太一の妹は一人。七歳下だから小学五年生前後。小学生って休日にまで部活あるの? 第13首で登場した名前は梨華ちゃんだ。こういう設定ミスはして欲しくないな。

東日本予選に出るような人は皆、吉野会大会で肩慣らしするのかと思っていたら、受験勉強を理由に出場しなかった? いきなり東日本予選が来た。太一の「千早に勝つ」という課題は永遠になってしまうのだろうか。

千早のライバルは理音くらいしか見当たらないが、五十嵐読手も山城読手もおらず、千早は北央の練習で廣田読手と小峰読手を聴いてあるので、理音よりアドバンテージを得ている模様。一人ぼっち感を出してはいても、太一がパーカーの中に同じ色らしきTシャツを着ているので、ここぞという場面で脱ぐのだろう。

メールの送り主は、「お互い頑張ろう」で本命が新、「約束したから勝ち抜いて来い」で対抗詩暢、大穴で最近登場回数が増えている千歳の気紛れあたりと予想する。もひとつ、千歳が冬のドラマで売れて、千早の学費も出してやってくれ。

いやしかし、太一がひたすら不気味だ。田丸兄とのシンクロぶり、ぞくっとするね。顔つきがやたら美形というか女性っぽいのも、違った意味でぞくぞくするねw

試合で読まれたのは「あきかぜに」「このたびは」。