chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第195首 それでこそ決定戦

千早が「あわじしま」を素早く札を取る様子に、周防が見入っている。千早母も千早が速く取る様子と聴力との関連に驚いている。

 

動き出しが早い千早につられ、結川も手を出すが「おくやまに」でおてつき。

腹立つわ 「おく」やないのがわかってたけど 念のため動いてみた みたいな

千早の大山札「きみがため・お」の取り方が若宮を意識して練習して来たことに、結川が気付く。千早が「みちのくを」を取り、結川は「みかのはら」を送られる。

みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ

みかの原から涌き出て分かれていった泉川ではないが、いったいいつ会ったといって、こんなに恋しいのだろう――という意味だ。

結川が札を移動。以前のように、利き手の左側に札を多く配置し直す。

「攻めがるたの人は 右下段右下段言いますけど 右下段なかったらどうしますんやろ」

千早の反応が遅れ、結川が連取。思い返すのは、横浜嵐会田沼元名人の言葉。

自分の実力はいきなりは変わらない 同じようにやっていて勝つためには 相手に遅くなってもらうしかない

結川が「みかの」を送り返す。

しかたない 思ってしもうたんやもん いつか歳取ってから言うかもしれんって 「ああ あのときの若宮さんも 神様みたいに強かったんや」 「綾瀬さんも」 いつか恋しく思う最盛期の神様を前に 全力を出してなかったら 未来の自分にしばかれるわ

千早は右利きにとって嫌な配置に苦戦。

そうか 結川さんも……… やりにくい でも それでこそ決定戦

 

新が珍しくもめる。新が前回もめた相手も太一だった。審判の判定は太一の取り。太一は自分のかるたに集中。

周防さんが見せてくれたかるたは 穴がたくさんあいている 勝ちも負けもどうでもいい かるたもどうでもいい 強さもどうでもいい 目の前の相手もどうでもいい

太一が「ち」で新陣の「ちは」を囲った後、「ちぎりきな」を取る。新は完全に出遅れていた。

どうでもいいって手放せると 身体が軽くなって 相手の身体のこわばりがわかる

太一が息を吐き、新も息を吐いた。太一が息を吸うと、新も吸っている。太一がフッと動いて「ち」で手を伸ばし、新は「ちは」に触れるが、読まれたのは「ちぎりおきし」。

なあ 新 「水が流れるようなかるた」を止める方法は せき止めるだけじゃないよな おれのほうがたくさんの水を流して 新が石になるのはどうだ?

次の「なつのよは」は、新がムキになって取り、太一を睨む。

かんちがいすんなよ かるたで強いのは おれや 邪魔や太一

太一はほくそ笑む。

そう ずっと その顔が見たかった

 

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

 

 

memo

挑戦者決定戦一戦目、熱い戦いが続く。実力差を認識しつつ、全力を尽くそうとしている結川。新は収めた筈の「邪魔や太一」という感情と共に再ブラック化。

結川と新がそれぞれお手付き。結川は引っかけられたと感じているが、千早は「お」を聞き分けただけ。嫌悪していたフェイントなのに、意図せずやっていたことになる。太一は執拗に「ちは」を攻めた結果でもあり、新はそれが周防的フェイントとは気付いていないかも。そもそも新は周防の癖を知っているのか。栗山先生や村尾が知らないわけがないとは思うけれど。

穴ボコだらけの姿で描かれている太一。第29巻第149首にて母親軍団が、子供は穴ボコだらけなのに一人で生きているみたいな顔をする、と話していたのが連想される。

登場した札は「あわじしま」「おくやまに」「きみがため・お」「みちのくの」「みかのはら」「ちぎりきな」「ちぎりおきし」「なつのよは」。

 

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ミックス版では、千早母の回想部分二ページが大きく書き換えられている。

雑誌発表時は、母が千早を呼ぼうとして「千歳」と言い間違えたのに、千早は自分だと思って反応したことがあった、というような内容で、聴力ではなく予知能力みたいな描かれ方だった。

ミックス版では、千早が「千歳」と「千早」の「ち」で分かると母に話した、という台詞で、聴力については一コマで終わっている。その後は母が新を見て、小学生の時に太一と一緒にチームTシャツを家に届けに来たメガネの子だと気付き、その三人がこの場に一緒にいるなんて、と驚く流れ。おまけ的に最後の一コマで、千早父が「音立てると睨まれるから家で応援しとく」とも描かれている。

他に、机くんの過去台詞を引用している部分で少し間違いがあったのを正しく修正。

 

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以下「一字決まり」考察。(修正、再掲)

■通常の一字決まり(むすめふさほせ)7枚

「むらさめの」「すみのえの」「めぐりあいて」「ふくからに」「さびしさに」「ほととぎす」「せをはやみ」

■机くんが千早の一字決まりと指摘した13枚(第49首

「しらつゆに」 「しのぶれど」 「ゆらのとを」 「ゆうされば」 「かくとだに」 「かささぎの」 「ちはやぶる」 「うかりける」 「うらみわび」 「きりぎりす」 「もろともに」 「ももしきや」 「ひさかたの」

■千早が聴き分けに自信がある「た」で、その時の残り札3枚(第189首

「たれをかも」「たきのおとは」「たちわかれ」

■千早が奥山さんと呼ぶ「おくやまに」(第195首

――ここまで24枚。

濁点付きの「おぐらやま」も候補か。第185首でM音の話が登場するが、「おもいわび」も聴き分けていそう。「お」は「おお」を除くと他に「おとにきく」のみだが、第48首で周防は一字で取っていた様子。

「た」は他には「たごのうらに」「たかさごの」「たまのをよ」。第32首で千早は「たご」より「たち」は聴き分け易いと言っている。「たご」は無理? M音に関連して「たま」は聴けていそう。

第121首で千早が「つくばねの」を一字で取っているような描写がある。「つ」は他に「つきみれば」のみ。「つき」と言えば第163首の対新戦にて、千早が読まれるかどうかの速さで吹っ飛ばしていた。机くんの指摘から漏れたのは、当時のデータが少なかったか、まだ聴けていなかったか、作者がわざと隠しておいたか。それぞれもう片方の「つ」の有無にも左右されそうだが、「つくばねの」「つきみれば」はその可能性が高いように思える。

今回第195首冒頭や東予選中でも触れられているが、「あ」札も16枚中何枚かは聴き分けが出来ていそう。

といった具合に、周防と千早の一字決まりが全く同じとは限らず、他の音が関係して来るのかもしれないが、だいたいこんなあたりか。