chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第197首 ぶっ潰してやる

最後の札を取っていたのは太一だった――観客の話に、新は蒼白。自身が太一に昔「卑怯なやつやの」と言ったのに。

さっきの一枚をやり直したい やり直したい 太一 太一 どうしたらいい 太一――

 

太一は西田と駒野に労われる。周防が鯛焼きを差し出して来た。

「めずらしくきみが楽しそうでびっくりした」

その言葉に反応する太一。しかし、何故審判を仰がなかったのかと問われ、目を伏せる。

「でも ああなったら 周防さんだって引くでしょ? 執着したら今日は勝てない…」

周防が太一を見る。黙りこくって、集中し始める太一。

手放せ 手放せ 勝ちも負けも遠くにいけ もう1試合ある いや もう2試合ある

 

若宮が到着し、結川に藤岡屋で貰った品を渡そうとするが断られる。結川は若宮の表情が少し陰ったのに気付き、やはり受け取ることにした。中身は競技かるた向きの半襟Tシャツ。

「暑がりな結川さんにええわ思うて」

結川が着替え始める。傍で見ていた大江も手伝うと称して、商品をリサーチ。そこで、爆睡していた千早が目覚めた。

「詩暢ちゃん!? なにしに来たの? 私の応援!?」

若宮は冷たく返す。

「千早 あんた アホやろ? 同会の結川さんの応援や」

小石川が結川のために甘酒を買って来て、千早達にも分けてくれた。皆で飲みながら、千早が零す。

「太一と新にもあげたいなぁ 緊張感ばっかり伝わってきた あげたいな あったかいな」

その表情に見入る瑞沢部員達。

 

周防は帰ろうとしているところで、原田に呼び止められる。

「なんだかんだ言っても けっきょく綿谷くんが勝つと思うんで そんなの見ててもテンション上がらないんで 帰ります あ でも 綾瀬さんの取りは 見ててテンション上がりました どうぞよろしく」

太一は弟子ではない、とも言う周防を見送る原田と坪口。

 

新は由宇からの弁当も食べず、二試合目に向かう。小学生の頃の三人を思い浮べるが。

もうダメや もう違う もう違う

新が俯いていると、冷たい風が部屋に入って来た。外は雪。千早達と結川が示し合わせて、部屋の窓を開け放ったのだった。

「太一 新 やばい 寒い 寒いっ」

楽しそうな女子達のお陰で、文字通り部屋の空気が変わった。

冷やされて逆に温かくなる

表情が緩んだ新を見て、太一は不機嫌になる。

やめろよ 千早 雪なんて思いだしたくねーんだよ 邪魔なんだよ

札を混ぜた後、太一が「ちは」札を手にするのを見る新。周防に聞いて欲しい願いごととは何か、と新は太一に訊ねる。

「おれに勝って叶えるんやろ? 教えとくのが筋やないか?」

教える義理は無いので憮然としながらも、太一は答える。

「…周防さんは もう8年も長崎の実家に帰ってない 帰りたそうにしてるのに なぜか帰ろうとしない 嫌がらせだよ 勝って 周防さんを長崎に帰す」

新が太一に言う。

「……1試合目の最後の札さ あれ 太一の取りやったかもしれん 無理筋主張して悪かった 謝ってもしょうがないから 暗記してから最初の5枚くらい おれ メガネはずして取るのはどうやろう?」

ふざけんな、と怒る太一だが、新は大真面目らしい。ではどうしたらいいのか、と聞く新に、太一も頭を抱えつつ提案する。

「……じ じゃあ もし運命戦になったら おれに譲れよ」
「うん」

そんな二人が小学生の姿に、千早の目には映った。

 

新は以前、祖父のライバルだった佐藤九段のような存在が新にもいればいいな、と吉岡先生に言われた。祖父は佐藤九段とはいつも口論していた。

かるたを取ってるとわかる 太一はおれのこときらいや おれも……ええんや きらいやと思うてええんや 邪魔やと思うてええんや

新は太一に束で勝つと宣言。

太一はおれのライバルなんやろう?

畳に視線を落とす二人。

ぶっ潰してやる

 

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

 

 

 

memo

表紙で描かれた太一が手にしている札は「せをはやみ」。高校三年の都予選で全国大会行きを決めた時の第152首で、太一が千早から貰ったメールに記されていた札である。新からすれば第1首の小学生新が千早に初めて取られた札で、新と千早の状況を象徴するような内容だったのが、すっかり太一と千早に変わってしまっている。

もう一つの曰く付きの「ちは」札は、描写が分かり難いが、二戦目ではまず太一陣になったようだ。

新は推薦入試で東京に先乗りしているのに、由宇の弁当はどういう経緯であるのか。村尾あたりに託したのだろうけれど、福井から東京までは最低でも四時間はかかるんだよね? 受験生なのに超早起きして弁当を作り、でも無下にされ……と、そんなことばかり気になってしまった。

周防のことは相変わらず読めない。勝敗の行方も斜め上を行きそうだし、あれこれ予想するのに疲れて来たよw 描かれるのを黙って待つことにしよう……