chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第198首 反射が止まらない

予選第2試合目の読手は、牧野美登里六段。周囲の誰もが、身体がよく動き、音の反応も良く、一試合目で地力を見せつけた千早が優位と見ている。

最初の札は「おくやまに」。一戦戦って千早が「おおえ」と「おく」が得意と気付き、結川が千早陣から両方ぶっとばした。続いて「やすらわで」「あさじうの」も結川が取る。

出札が悪いだけだが、原田や猪熊が心配していることがある。次に読まれたのは「ゆうされば」だったのに、千早は「いまは」に反応。牧野の読みは癖があり、「ユウ」が「イ・ユウ」に聴こえたりするのだ。千早が動揺しているところで、再び「ゆ」の「ゆらのとを」。結川はこれで五連取。

結川さんの最初の度胸のある狙いと 出札の運と 読手との相性――

「ひさかたの」で千早がやっと敵陣右下段から一枚取るが、それは結川にとって「取らせる札」。次はS音で敵陣に手を伸ばすが、どの札かを上空で待つ隙に、手の下から結川に攫われた。まるで若宮のようだと、千早は感じる。

反射が止まらない

結川に自陣の札「たごのうらに」「なつのよは」を飛ばされ、原田が「たご」を拾って千早に渡してくれる。原田の表情は、周囲が青ざめる程、恐ろしい形相。

16歳の君にあのとき言った言葉 忘れたわけじゃないだろう? ”速く取るのをやめなさい”

 

間下会長が若宮に話し掛け、再来年からクイーン戦は三試合から名人戦と同じ五番勝負になったことを教える。

「5試合 クイーン戦戦うならどっちがいい? 結川さんと綾瀬さん」

原田達は試合を見守る。

このときしかないと 全部懸けてきたんだろう 示せ クイーンに届く牙を 持ってるのはどっちだ

 

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

ちはやふる(38) (BE LOVE KC)

 

 

 

memo

クイーンとの練習の成果で、持てる力以上のものを見せ始めた結川。左利きの特性も生かしているので、結川ぐらいにはさっくり勝っておかないと、クイーンに相手して貰えないよ、千早さん……

牧野読手といえば、作中で何度も印象付けられている特徴、鼻濁音。若い頃の原田が試合を回避する程で、猪熊も苦手と言い、千早も実際に聞いて戸惑っている。彼女の発声は「感じ」の良い選手には相性が悪いらしい。

しかし、彼女は前年度挑戦者決定戦の三試合目(第116首~、原田対新)、千早三年次の全国大会個人戦A級準決勝(第169首、西田対新など)でも読んでいる。専任読手の音源でも聞いているだろうに、千早は何を今更? まあ、音源だと癖には気付けなかったかもしれないが。

と思ったら、決定戦時の千早は窓の外から周防と観戦し、室内で聞いたのは多分最後の数枚くらい。個人戦時は自身の試合直後に廊下で行き倒れ、室内に入ったのは途中から。西田の身体を張った取りに気を取られ、読みには注意が行っていなかった? つまり、千早は牧野読手を生でまともに聞いたことがなく、その機会を悉く潰していたという。

尚、挑戦者決定戦時、猪熊は勝ち抜き済みで、牧野読手の試合では取らずに済んでいる。個人戦時、同じく感じの良い理音は「聴けている」と考えているが、実際は苦戦しているので、本当のところは分からない。

千早母が千早父と千歳に、試合を観に来るよう電話している。ついに千歳の応援を受ける時が来るのか? ここに来て「帰ろうよぉ」と駄々を捏ねたり(ならば一人で帰れ、となるが)、一応芸能人なので騒ぎにならないかなど、不安要素しか思いつかない。あと、美人姉妹の方に注目が集まり、詩暢の需要が減ることに繋がったりとか。

原田先生の「速く取るのをやめなさい」は第30首。その後、金井桜おばちゃんとの対戦にて、読手の呼吸に合わせ、ちょうど良いタイミングで取ることを学んだ。最近の千早は、第177首で須藤に「速さを磨きたい」と言ってみたり、音声データや猪熊との練習、理音との試合もあったし、「感じ」勝負路線に走っていたように思う。一戦目でそれを実践して勝利したが、違うかるたでも勝てることを示したいところだ。そうなれば詩暢も、千早と戦いたい、と思ってくれるだろうし、良い勝負も出来るんじゃないだろうか。

五番勝負の件は、漫画は三番勝負を想定して練っているからそのまま、という作者表明か。つまり、現実世界で五番勝負となる再来年、漫画では三番勝負が展開されている、連載も続いている、ということだろう。ルール変更を知らない人が読んでも違和感がないよう、配慮含みで。しかし、映画が公開された頃の作者ツイッターでは「連載はあと二年くらい」と呟いていたけど、全然アテにならんなw

「戦うならどっちがいい?」について。詩暢は結川を応援しに来たようだが、戦いたい相手は応援したくなるだろうか。むしろ、勝ち上がって欲しいから応援する? これはどちらもありかもしれないので、迷うところ。第167首の伊勢先生が詩暢について「ほんのすこしでも”いる”と思うと 一人のときのペースでは取れなくなる」と独白しているが、この「応援」問題を絡めて来そう。

応援繋がりで思い返したのが、第171首で千早が新の試合を観て「応援できないのがこんなに辛いなんて」、更に繋がって第166首で千早が新に送った手旗信号「だから 新 やろうね 今日 もう一回」。千早にとって、新は応援出来ないが戦いたい相手?

登場した札は「おくやまに」「やすらわで」「あさじうの」「ゆうされば」「ゆらのとを」「ひさかたの」、S音で読まれたのは恐らく「しのぶれど」、空札で「はるのよの」「ありあけの」「やまがわに」など。