chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第208首 本当に教えたいならうしろから

新は推薦入試に無事合格。南雲会で合格祝いの席を設けて貰った。新母も参加し、酒の勢いもあってか泣き出す。

「私もかるた始めていいですか~? お父さんと二人になって 趣味もなかったら耐えられん――」

新祖父の話で盛り上がる中、新は部屋の隅で一人練習を始める。村尾は忙しいし、周防とはタイプも違う。なかなか練習相手がいない。

友達なんやろ二人とも すごいな 神様が新はそれでいいって言ってくれとる気がする

前に村尾が言ったこと。三人で並び立ち、推挙状を手にした新と千早。そして、陰って消えゆく太一……。新は練習しながら考える。

千早はどんな練習しとるやろか 千早に会いたいな

 

渡会は新宿のデパートで働いている。千早は渡会と一緒に、猪熊宅で練習することになった。札を並べるが、また「ちは」が無い。

「綾瀬さんが勝ち上がれたのは 『ちは』がなかったからかもしれないわね」

猪熊が若宮役を務め、配列や送り札など、渡会の指示通りに試合を進めて行く。

「詩暢ちゃんの配列 詩暢ちゃんが送ってきそうな札 自分が取れそうな札や 取られそうな札 見えてくるでしょう? イメージをふくらませて」

「詩暢ちゃんは相手の顔は見ないわ 札しか見ない 敵陣自陣の3センチの隙間を見てる 綾瀬さんはどこを見る? どこを見る? 当日おどおどしないですむように」

何故そこまで若宮のことを理解しているのか。千早がそう問うと、渡会が鬼の表情に変化した。

「……クイーン戦で五番勝負したかったわ 私が一番にしたかった」 

渡会も若宮と戦いたくて、ずっと研究していたのだ。しかし、13期務めた女王の座から降りて分かることがある。

「人はね 向かいあってる人からは 本当は 身につくものは学べないのよ 本当に教えたいなら うしろから」

そう言って、千早の肩と手の軌道を修正する渡会。彼女がデパートでの接客中、子供服のボタンの留め方を背中側から教えてあげていた様子が、千早には思い起こされた。

 

新の家に、若宮がカメラと共に乱入。動画の配信を兼ねて、練習したいらしい。

千早 どんな練習してる?

 

千早も涙を浮かべつつ練習。

新 新はどんな練習してる? 私はダイヤモンドを削り合うように 二人のクイーンが教えてくれてるよ

 

ちはやふる(40) (BE LOVE KC)

ちはやふる(40) (BE LOVE KC)

 

 

memo

千早の修行はまだ続く。一方の新は、ユーチューバーと化した詩暢に困惑。でも、遠出が難しい境遇のところ、ちょうど良い練習相手が来てくれて良かったね。詩暢ならお金の心配も要らないから、何度でも来てくれそう。でも、隣家の由宇は心穏やかではいられなくなるだろうな。

「ちは」に嫌われたと嘆く千早。前話で黒い紅葉が描かれているが、その時の心情とも繋がっているのではなかろうか。

向かい合っている人からは学べない。第93首でも「あの情熱を受けて立てる人間に」とあったが、千早が想像していたのは新と向かい合って座る姿。詩暢も勿論、向かい合って座る相手。では、千早が目を向けていなかったけれど、手助けしてくれていた人は? 

練習中に登場した札は「おくやまに」「いにしえの」など。