chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第37首 逃げないやつになりたい

新と坪口の対戦は、坪口の辛勝。引き上げる新の前に、太一が現れた。腕で涙を拭っている。

「……遅ぇよ 広史さんはうちのエースなんだ ブランクが一年半もあるやつに負けねーよ」

太一は目を合わせないが、新はその目に涙が浮かんでいるのに気付く。

千早は床に這いつくばるようにノートに向かい、かるたのことをぶつぶつ呟いていたが、新を見て座るよう促す。何やら分からないといったまま正座する新。千早は頭を下げながら、前に居るのが若宮であるような幻影を見る。ゆっくり顔を上げると、若宮の顔から新の笑顔に摩り替わる。

「なんや 戦うまえから そんな怖い顔してるんか?」

見据えると、新の真っ直ぐな表情。千早を悩ませていた若宮の顔と左手の幻影が薄くなって行く。それが更に小学生の新に書き替わり、目の前にいる新へ……

そこに大江が現れた。勉強中の皆の代表で、太一の応援に来ていたのだった。千早は大江に連れられ、学校へ戻ることに。

新も福井へ帰らなくてはならない。太一はそっぽを向きながら、新にメモを突き出す。

「じゃあ 新 自分で教えてけよ 千早に携帯の番号 『必要なら』っておれに任されても困んだよ」

新は戸惑い気味。

「いや…… でも…… おれ わからんし…… 離れてるで 太一と千早がつきあったりしても わからんし……」

それをあり得ないといった風に否定する太一に、新は嬉しそう。

 

千早は大江と一緒に電車の中。

めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな

会場で新を発見した時にちょうど読み上げられていた歌だ。

「なんか 新のことみたい いっつもちょこっとしか会えない…… 恋の歌にきこえるけど 幼なじみの女の子との別れを歌ってるんだよね ホントぴったりだ」

大江は千早を見て思う。

恋の歌に聞こえるんですか?

千早は新のかるたのことを思い返していた。

水みたいだった 流れてるみたいだった しなやかな水を 私 がぷがぷ飲んだ

 

学校に戻り、千早は駒野に怒られる。

「真島はこんだけかるたに時間をかけても 学年一位から落ちたことない 一位じゃないとかるた部辞めさせられるって言ってた やりたいことを思いっきりやるためには やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ」

太一の顔を思い浮かべ、反省する千早。

 

試合を終えて帰る太一、原田先生、坪口。原田と坪口は準決勝敗退。坪口は新との試合で燃え尽きてしまったらしい。太一が新との試合の感想を問う。

「あいつイヤ~~~ すっごいイヤ~~~ なに考えてるかよくわかんないのによく考えてんの~~~ …… でもたぶん あのタイプ 周防名人はものともしない……」

新はA級なりたての選手なのに、坪口は名人のことを口にする。はっとする太一。

見てればよかった 二人の試合を 最初から見てればよかった

考え込む太一に、原田が持ち掛ける。

「まつげくん 考えたんだが きみはこの夏B級準優勝を2回したね 規定ではA級になれる立派な成績だ …… 白波会のルールとはちがうが…… 昇級して東日本予選に出るかい? 千早ちゃんとメガネくんがA級で待ってるよ」

原田は「昇級……?」と暫し呆然としている太一を見詰める。

悔しさの賞味期限は長くない ときどきはちゃんと 報われることがないと 続けられない

太一は笑い飛ばした。

「ははっ やめてくださいよ先生 らしくない」

あっけにとられる原田だが。

「先生 おれはA級になるより …… 逃げないやつになりたい……」

静かに決意を述べる太一に、原田の表情が緩んだ。

 

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)

 

 

memo

千早と付き合っているなどあり得ないといった風に否定する太一。もうちょっと違う否定の仕方があるんじゃないか、とも思ったけれど、付き合っていないのは事実だから、正しく伝えた=卑怯じゃない、ってことにもなるのかな。

登場した札は、きりきりきりと広史さんが連呼していた 「きりぎりす」、千早が新を前に座らせた時に背景で描かれた 「ゆうされば」 「こぬひとを」 「しのぶれど」 「みせばやな」 「こころにも」 「ゆらのとを」 「やすらわで」。その後勉強しつつ 「みよしのの」 「みかのはら」 「やすらわで」 「みちのくの」 「あさぼらけ・あ」 「もろともに」 「やまざとは」。千早のもやもやぐらぐらしている心が反映されているような札?