chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第51首 おれは選んでがんばるんだ

花野は爪の手入れに、恋バナメールにと忙しい。国立文系クラスの千早は西田と、国立理系の太一は駒野と同じクラス。太一は考え込んでいた。

千早―― わかってないんだあいつ いま時間がどれだけ大切か 思いつきでやりたいことだけやりたがってんだ クイーンになるのが夢のくせに 負けたら泣くくせに 止めなきゃいけない おれが――…

千早と西田が昼休みに部室に行くと、一人だけ私立文系クラスの大江が畳を拭いて待っていた。二年生部員の議題は、一年生をどうするかということ。ここでも自分が20人を教えると主張する千早に、太一は苛立ちを隠せない。

太一は千早の「名人戦・クイーン戦優先派」。大江は自分が一年生を教えると言い、「礼儀作法重視派」。駒野は部室返上を回避出来るので、一年生ともそこそこ楽しくやりたい「環境重視派」。西田は二か月先に迫る「高校選手権重視派」。千早は、と話を振られて出た言葉は。

「…… 私が いまいちばん大事なのは 太一がA級になること」

名指しされた太一自身や皆が驚く中、千早は続ける。

「それで目標は 高校選手権団体戦優勝 個人戦各階級優勝 一年生教育にも力を入れて 北央学園みたいなかるた強豪校になるの!!」

当然のことのようにさらっと言い切る千早に、皆引っ繰り返る。

ご… 強欲 こんな欲深い人間 見たことねえ――

しかし、かるた強豪校はちゃんとした指導者がいないと無理である。

「私 後輩ができたら 卒業してもかるた教えに来るんだあ」

最早、皆も、太一もただ感心するしかない。

こんなに欲張りな人間見たことない こんなにかるたが好きな人間も――…

 

一年生部員の前に立つ千早。花野は教えてくれるのが太一ではないのが不満だ。他の一年生も「戦力外だから教育係?」とか「補欠?」など失礼なことを言っている。千早は目を剥いて一喝。

「エースじゃけん」

一方、部室の太一は、白波会の練習に行きたいと申し出る。西田も駒野も太一が言い出すのを待っていたのだった。駒野は「決まり字」の話から千早も変わったが、千早が言ったことで太一の変化も感じていた。

「真島がやっと 自分のことだけ 考えはじめたよ」

やる気がなさそうに百人一首の暗記に取り組んでいた花野は、一つの歌に涙を流し始める。

はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに

その通り、若さも美しさも、すぐに色あせてしまう。恋に生きんでどーする! と花野は部室から脱走。そんな彼女はさておき、千早はかるたで人の心を最初に掴むのは「歌」だと改めて知る。

花野は駅のホームで太一を発見。可愛くて健気な女子を演じてみせるが、頭痛を早退の言い訳にしたので、太一に気を使わせ心地悪い。周りの女子が太一に視線を送っている。もてるから彼女には困らないだろう、と話す花野に太一が言う。

「あー…… なんかそーいうの最近わかんなくて…… 男が女に選ばれてどうすんだって思う おれは 選んでがんばるんだ」

静かな牽制。駅に着き、太一は花野に挨拶して降りて行く。

怖いくらい痛感する 真島先輩は絶対私を選ばない いやだ 私だって選びたい 私は後悔の歌なんか詠わない

花野は太一を追い掛け、電車から降りる。

 

ちはやふる(9) (BE LOVE KC)

ちはやふる(9) (BE LOVE KC)

 

 

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千早読み間違いの件で最初に「すみれちゃん」でインプットされたのに、わざわざ苗字聞いて「花野さん」と言い直す太一。部長だからけじめつけてるのか分からないけれど、かなちゃんも他男子部員も苗字呼び。でも、千早だけは昔からの馴染みということもあってか「千早」なんだよね。

登場する札は、一年生の気になる歌談義で 「きみがため・は」 「あまつかぜ」 「かくとだに」。