chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第8首 一緒に強くなろう

千早はA級昇格に向けての大会で、三回戦突破。勝ち進んでいることにも、白目剥いて即寝するのにも、驚く太一。即寝千早に自分の上着を掛けると、千早も気付いて「太一やさしーなぁ」、原田先生も冷やかし気味に「やさしーなぁ」。千早は伏せたまま言う。

「太一 私が優勝しても…… かるた部のことはいいよ 無理強いしてもしかたないもんね でも見てて 勝つから見てて」

千早はB級決勝戦まで残った。相手は実力はあるのに3年もB級でいる安田。周囲は流石に安田が勝つだろうと噂している。千早は「ちはやぶる」と「ひさかたの」の札を手に取り、小学生の大会で三人とも「ちはや」を取ったこと、三人で練習した時のことを思い浮かべながら畳の上に並べる。

――ここにいてくれる?

序盤は千早劣勢。千早がやっと一枚抜き、相手に「ちはや」の札を送った。太一は驚くが、原田には当たり前のこと。

「私が教えてるのも攻めがるただ 相手陣に送って攻めにいく とくにあの札は 千早ちゃんはかならず抜く」

千早は脳裏に過る、小学生の頃の三人。

太一 新 勝つから見てて

取りつ取られつで、安田が送り札で「ちはや」を戻して来た。その後も「ちはや」札を送って送り返されての応酬。千早は戦いながら笑みを零す。太一は建物外から窓を通して見入っていた。

楽しそう 楽しそうだな 千早 おまえがやってるからそう思うのかな おまえも おれたちとやってたからそう思ったのかな

ついに「ちはや」が読まれ、千早が札を取って優勝を決める。挨拶を終えてすぐ、千早が太一に飛びついて来た。

「やろう かるたやろう 太一 やろう!」

かるた部のことはいい、と言っていたのに。

「でも 一緒に強くなろう 仲間がいたら強くなれるから」

千早はA級になった報告をするからと、その場で新の自宅に電話を掛け始める。電話が繋がった。

「新!? 私だよ 千早!! 太一もいるよ 私 今日A級に上がったんだー! がんばったんだー!! 春川かるた会の人にギリギリ勝ったよ 太一とは同じ高校になってね 彼女とかできてたーくんとか呼ばれてんの 原田先生も元気にしてるよ 新 新はどのくらい強くなった?」

千早は一気に喋るが、やっと返って来た言葉は冷たいものだった。

「……やめてくれん? 悪いけど電話とかせんといて かるたとかもうやってないから」

そこで電話は一方的に切られた。呆然と電話を見詰める千早。

「太一…… 私 ちょっと福井に行ってくる……」

 

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千早が札を並べる時に「ちは」と共に手にしている「ひさかたの」 は、かるた部ポスターにも描かれている札。小学生編で特に取り上げられた札でもなかったようだが、「ひさ」も特別な札という位置付けになるのだろうか。試合中に読まれた描写があるのは 「ひともをし」 「あいみての」 「ちぎりきな」 「しのぶれど」、そして 「ちはやぶる」。

太一が千早に上着を掛けてあげたり、千早が太一に飛びつくというか抱き着いてみたり。そりゃ当人達も相手にどきっとするだろうが、先生も気になっちゃいますわ。例の紅葉背景は、千早が電話を見詰めながら太一に「でも見てて」と言うところまでで、両者の心を表しているのかな。千早は電話=新、太一は千早、か。