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chiha memo

漫画「ちはやふる」の粗筋と伏線と名言と感想の個人的メモ

第90首 千速振る

千早の涙は止まらない。太一のTシャツで拭いて貰う。

やった やった 太一 おめでとう 太一がA級 つまり…… 敵(ライバル)!!

太一としては、自分のことで泣いてくれているのは嬉しいが、こうしてもいられない。千早の手首を掴み、太一はA級会場へ急ぐ。そんな二人に、太一に思いを寄せる花野は複雑。大江は一つの歌を口にする。

かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを

あなたはご存知ないのでしょうね、火のように燃え上がる私の想いを――という意味だ。が、花野の切ない気持ちも、筑波の叫び声でぶっ飛ぶ。全く気付いていなかったが、同会場D級決勝で筑波も戦っていたのだった。

A級会場の前で、千早が立ち止まる。

どうして あんなに見たかったのに どうして 怖い

躊躇している千早を、居合わせた桜沢先生が誘導する。

「『これ』と決めた道で 知らないほうがいいことなんて 一つもないわよ」

会場に入った千早は、水の中に居るような感覚を味わう。溺れそうな程苦しい。

5枚対11枚で、若宮の劣勢。新の渡り手が効く配置で、決まり字より先に全部払って手がつけられない。若宮は慌てず、いつもの正確な取り。しかし、出札が悪く、試合の流れは新。若宮は、捨てる札と狙う札を分けていた。札を見詰める。

差別した そっぽ向かれたんや みんなに

若宮がバシバシ連取。千早は取り様に驚く。

し 詩暢ちゃんの取りで音がするなんて いつもの詩暢ちゃんのスタイルじゃない いま一枚取るのに何枚払った!?

若宮が本気の顔になる。速さ自体は若宮が上だし、技術自慢は後半に弱いと言われるが、新が本当に凄いのは技術ではない――と、新と対戦した者達は実感している。

新が迫力をつけて取った札が、千早の眼前に飛んで来たのを間一髪、太一が手で遮った。千早は茫然と前を見据えたまま。観衆が騒然とする。

いまのは まさか 若宮詩暢より速いのか? 音への反応はクイーンのほうが速かった 反応も手の速度も充分速い 速いのに 追い越した 超加速

西田は考える。

…… でもおれは 綿谷新の超加速より 武器の多さより あいつのリラックスが怖い

千早は大江の言葉を思い返す。

たとえるなら 高速回転するまっすぐな軸の独楽 止まっているように見えながら どこにも偏りなく力が集中している なにが触れても弾き返される安定した世界 千速振る

 

ちはやふる(17) (BE LOVE KC)

ちはやふる(17) (BE LOVE KC)

 

 

memo

大泣き千早に困りつつ嬉しそうな太一が可愛い。かなちゃんの「千早振る」の説明は第63首。ただ、今回当てた漢字は数種の説のうちの「千速振る」。

試合で読まれたのは 「あきのたの」 「いまはただ」、超加速でぶっ飛ばしたのは 「あきかぜに」。